ネット上の様々な媒体に書き込まれたお客様の声を収集して、そこで何が語られているのかを機械学習サービス ③ Comprehendでポジティブ・ネガティブ分析(良い意見や苦情などを集計)し、さらに全文検索サービス⑦ Elastic Search Serviceで日本語構文解析した結果を⑤ S3に保存し、メール配信サービス ⑥ Amazon Simple Email Service (SES)でメール通知して、添付したCSVを⑨ Excelに読み込んで独自の分析をしたり、⑧ kibanaを使ってクチコミの分析結果をグラフで分かりやすく可視化して、お客様の声をチェーン本部や現場の店舗スタッフにお届けすることで、現場の改善に役立てようというデザインパターンです。

お客様の声を収集するやり方はいろいろあります。① AWS Batchを利用するメリットは、媒体ごとのスクレイピング・プログラムをコンテナ化して実行した時のみの課金にできる点と、処理負荷に応じてEC2インスタンスがオートスケーリング(台数の増減)させることもできる点です。① AWS Batchで収集したお客様の声は、いったん② Auroraデータベースに格納します。Auroraを使うメリットは、SQL文で直接、機械学習サービス③ Comprehendを呼び出すことができる点です。このSQL文でカバーできない分析については、④ Lambda(AWS SDK for Python )からComprehend Syntax APIを使って構文解析(テキストをトークン分割し、各単語に品詞をラベル付して分析することができます)をすることができます。この構文解析APIでカバーできない分析については、全文検索サービス⑦ Elastic Search Serviceで補強することで、主語述語(係り受け)で検索が可能になり(例えば、苦情で検索ができるようになります)、⑧ kibanaを使ってグラフ化することができます。

⑤ S3に保存された分析結果をどう活かすかが次のポイントになります。メール配信サービス ⑥ Amazon Simple Email Service (SES)に分析結果をCSVファイルとして添付してメール通知するやり方があります。そのメリットは、メール配信の運用コストが安い点、送信したメールが確実に届くように信頼性を高めるための機能(送信頻度や量のコントロールやアドレス偽装への対策、ウイルスのスキャン)が備わっている点、開封やクリックのトラッキングが可能な点などがあげられます。これにより、誰が確認したか、確認していないかが把握できます。次に、受信したチェーン本部スタッフは、添付されたCSVファイルをExcelに取り込んでさらに独自のマクロを組めば、全店舗の接客対応の評価を比較したり、A店舗とB店舗の評判を比較、特定の店舗を過去から現在まで時系列に評判の変化などを分析することがきます。また、現場の店舗スタッフは、メールのリンクをクリックすることで、⑧ kibanaでクチコミの内容(良い意見や苦情など)をグラフで分かりやすく把握することができるので、現場の士気を高めたり、具体的な苦情の数を目にすることで自ら改善すべき意識が芽生えると考えています。